Tohru Sugahara

Scientific Researcher
Download My Cv

小型軽量高効率フレキシブル熱電変換デバイスの開発

大阪大学産業科学研究所の菅原徹准教授(先端実装材料研究分野)と工学研究科の伊庭野健造助教らの研究グループは、精密な半導体チップ加工と精密な実装プロセス、新規の実装材料を採用することで、大面積・高効率・高機械的信頼性のフレキシブル熱電変換デバイス(2018年12月14日発表https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2018/20181214_1
)のデザインを保持したまま小型・軽量化することに成功しました。(図1)

今回開発したデバイスは超小型の熱電半導体チップを、1cm角あたり約200個で高密度に搭載し、フレキシブル性を向上させることで、湾曲した熱源から熱の回収効率がよくなるとともに、微細化と軽量化により機械的信頼性もさらに向上しています。

これにより、低コストかつ未使用率の高い100℃以下の廃熱を効率よく回収することができます。Society5.0を実現するために必須のIoTセンサを支える熱電変換を利用した自律分散(オフグリッド)型電源システム※6の社会実装が期待されます。

また、この熱電変換デバイスは、小型・軽量かつフレキシブルなペルチェ素子として利用できるため、全く新しいエンターテインメントコンテンツや、メディアアートなどのエンターテインメント機器、視聴覚室生涯者への情報呈示機器に応用が期待されます。さらに、パーソナルエアコンや局所冷却器などの各種医療機器として社会実装が期待されます。

本研究成果は、ドイツ科学誌「Advanced Materials Technologies」に、2020年3月18日(水)午前8時(日本時間)に公開されました。